研修再び

ナベです。
緑の雇用の研修に今月も行ってきました。
今回は雨続きで座学が中心でしたが、そんな中でも短い晴れ間に山から木を搬出した現場、いわゆる伐採跡地を見学してきました。場所は青梅線御嶽駅近くなんですが、かなり広い面積を皆伐(植えてある木をすべて伐採すること)してあるんで遠くからでもよくわかります。木林士は木材の搬出作業はやっていないのでこうゆう自分がやったことがない作業を見れるのはなかなか面白いです。しかも同期の研修生にそこの伐採を請け負った会社の人がいたので皆伐作業について色々な話を聞くことが出来ました。

山仕事は主伐(伐採)→植栽→下草刈り→除伐、間伐→主伐と作業が繋がっていくので前段階の仕事の出来次第で次の仕事のやりやすさが結構変わるんです。そのうえ東京では林業会社が自社林などをを持ってない限り同じ山でも作業によって入る業者は違います。なので次どんな作業をするのか知って、それを気にして仕事する業者とそうでない業者では結構仕事の仕上がりが違うんですね。そうゆうこともあって他の業者さんの仕事や話を聞くのは自分たちの仕事の質を上げるうえでもすごく参考になります。

話は変わりますが今回見学した現場、大規模な皆伐跡地ですがこの皆伐という伐採方法、世界的に色々物議をかもしているのが現状です。主な問題は木をすべて伐採するので一時的に裸地になるということ、伐採することで土を保持していた木の根が腐ることなどから土壌流出の原因になるという点です。ドイツなどでは択伐(選んで伐る)が主な伐採方法で皆伐はあまりやらないようです。もちろん他の林業先進国でも皆伐は行われています。しかしその皆伐面積が日本とは比較にならないくらい小さいです。日本では100ヘクタール(1ヘクタール=10000平米)くらいの大面積の皆伐はそんなに珍しくありませんが、林業が盛んなスウェーデンでも多くても3ヘクタールくらいだとか。。

某CMのワンシーン。伐採跡地にたたずむ宮崎あおいが印象的ですね。

皆伐という伐採方法が環境に与える影響、最近の異常な雨なども考えると確かにあまりよい方法ではないのかもしれません。しかし皆伐がなくなると一つ問題が生じるんです。下草刈りという作業がなくなるんですね。択伐では下草はあまり生えないので下草刈りという作業はなくなります。手間が省けていいじゃないかと思われますが、実は山仕事というのは下草刈りがなくなると夏の仕事がほとんどなくなってしまうんです(少なくとも東京では)。もちろん環境とお金(仕事)を天秤にかけることはできません。しかし皆伐がなくなれば山を守る人の生活が危うくなるのもまた現実。持続的に日本の今の森を維持していくには山を守る人達の存在は必要不可欠。なかなか痛し痒しな感じですが、めげずに日本の森も守れてその森を守る人々の生活も守れるそんな選択肢を見つけていきたいですね('ω')