荒廃の象徴、藤

 写真は藤の花です。ちょうど今時期は檜原村も藤の花が咲いています。こんにちは、ナベです。
 藤棚に満開に咲いている藤の花はほんとに紫が鮮やかで綺麗なんですが、林業では一転、この藤、木を枯らしてしまう厄介な植物なんです。
 どう厄介かというと、藤はツル植物なんですが、このツルが木の幹に絡み登っていき、樹冠にまで達すると今度は広がり始めて葉を出し、光を遮り、絡まれた木は光が当たらなくなり最後には枯れてしまうんです。枯れない程だとしても絡んだツルが幹に食い込み”材”としての価値がなくなってしまいます。
 そんな訳で山仕事では木に絡みついているツルを見たらすぐ取るようにします。それはもうパブロフの犬のようにツルを見た次の瞬間には腕が動いてる、みたいな(笑)逆に人の手が入ってない山は今時期になると緑の中に藤の花の紫色が見えたりします。ちなみに檜原にもそんな山がちらほら…(^_^;)
 昔は山菜取りなど山に入る人なら誰でもツルがあれば切るという習慣があったようです。山に関わる人みんなが山を維持管理しているという意識があったんですかね。そう考えると藤の花が山で咲き乱れるのは山の荒廃、山に対する人々の意識の変化の象徴とも言えるかもしれません。
 山の荒廃と藤、そんなお話でした。